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不動産業界でのオンライン接客を成功させるポイントを紹介
コロナ禍をきっかけに、不動産業界でもオンライン接客が導入され、利便性の面で大きな効果を発揮しています。
しかし、オンライン接客の導入をご検討中の担当者のなかには、新しい取り組みを始めて失敗しないかご不安に感じられている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで本記事では、不動産業界でのオンライン接客の活用方法や、成功させるポイントを解説します。
不動産会社のDX化にご興味のある方は、ご一読ください。
目次
オンライン接客とは
対面ではなく、インターネット上で接客サービスを提供することを「オンライン接客」といいます。
顧客にとってはパソコンやスマートフォン、タブレット端末さえあれば、店頭に行かなくとも接客を受けられるので、コロナ禍の外出自粛期間に需要が拡大しました。
店舗へ出向くのが難しい顧客層を取り込めるので、コロナ収束後も導入が進むと見込まれています。
関連記事>>オンライン接客とは?メリットやデメリットを詳しく解説
不動産に関わるすべての契約がオンラインでできるように
2021年9月のデジタル改革関連法の施行によって、不動産の契約がオンラインで完結できるようになりました。
従来は、不動産賃貸の取引に、重要事項説明書と不動産取引契約書の書面での交付や、宅地建物取引士の記名・押印が必要でした。
しかし、この新法の施行により、上記の書類の提供が書面だけでなく、電子メールやSMSといった「電磁的方法」でも可能になり、宅地建物取引士の押印も不要となりました。
これまでは、書面を用意したうえでの対面接客が一般的であったため、この改正は不動産業界のビジネススタイルに大きな影響を与えたといえます。
不動産業界でオンライン接客が活用される3つのシーン
不動産業界において、オンライン接客は「商談」と「物件の内見」、そして「重要事項の説明」の3つのシーンで活用されています。
次で、それぞれ詳しく解説します。
商談
不動産業界では、モデルルームの見学時に商談を行うのが一般的です。
しかし、モデルルームに足を運ぶことに心理的なハードルを感じる方や、モデルルームの見学を申し込むほどには購買意欲の高くない方もいます。
そこで、モデルルーム見学前に、対面よりも気軽に参加できるオンライン接客を実施し、不動産購入の熱量が高くない顧客層へのアプローチとして活用している企業もあります。
また、オンライン接客の使いどころは、見学前の商談だけではありません。
モデルルーム見学の申込者への事前説明や、物件探しの相談にもオンライン接客が利用されており、移動時間の負担軽減や現場の混雑の改善などに効果を発揮しています。
関連記事>>オンライン商談のメリット・デメリットを詳しく紹介
物件の内見
担当者が現地に赴き、物件の様子をカメラ越しに紹介します。
物件の内見には半日~1日を費やす場合もあるので、忙しい方には嬉しいサービスです。
遠方に住んでいても内見ができるので、地方から上京してくる方にとっても便利でしょう。
また、顧客が希望した箇所をカメラで映してもらえるので、ホームページの写真には写っていない部分までチェックできます。
重要事項の説明
物件契約を結ぶ際には、重要事項の説明(重説)が必要です。
対面での説明が義務付けられていましたが、2017年10月から、賃貸物件の重説のみオンラインでの実施が可能となりました。
契約する物件から離れた地域にお住まいの方にとっては、自宅で手軽に説明を受けられるので、日程調整の手間が省けるというメリットがあります。
不動産業界でオンライン接客を導入するメリット
ここからは、オンライン接客のメリットを、不動産会社と顧客の立場に分けて解説します。
不動産会社へのメリット
オンライン接客が不動産会社に与えるメリットとして顕著なものは、以下の3点です。
【メリット】
- ・コストカット
- ・業務の時短
- ・集客のターゲットの拡大
オンライン接客を導入すると、内見に使用する社用車のガソリン代や、顧客に渡す資料の印刷代などを削減できます。
従業員の移動時間や印刷作業にかかる時間も短縮でき、接客にかける時間を増やすことが可能です。
また、オンライン接客という手軽さのおかげで、従来は商談の場に赴かない層の顧客も取り込めるので、ビジネスチャンスの拡大にもつながります。
顧客へのメリット
顧客側が得られるオンライン接客のメリットは、移動の時間とコスト削減です。
たとえば、地方に住んでいる学生が大学入学をきっかけに、都市部でマンションを借りるケースを想定します。
物件を借りるまでには、以下のステップがあり、学生は不動産ショップへ複数回来店しなければなりません。
【入居までに必要なステップ】
- 1.物件情報の確認
- 2.内見
- 3.契約申込
- 4.審査
- 5.契約
- 6.重要事項説明
- 7.鍵の引き渡し
本来は多大な時間とコストがかかりますが、この工程をオンライン接客に置き換えると、ほとんど来店せずに契約が完了できます。
すでに都市部にお住まいの方であっても、長時間家を空けられない方や、お仕事で時間を作れない方などにとっては、オンライン接客は重宝されます。
不動産業界でのオンライン接客を成功させる6つのポイント
不動産会社と顧客の双方にとって利便性の高いオンライン接客ですが、慣れないうちは運用がなかなかスムーズにいかないかもしれません。
そこでここからは、オンライン接客を成功させるために押さえておきたい6つのポイントを紹介します。
オンライン接客を導入する前に、ぜひご確認ください。
ポイント①通信環境に配慮する
オンライン接客はインターネットを介すので、通信の途切れやタイムラグなどが発生するケースがあります。
通信が途切れると、情報の伝達や顧客とのコミュニケーションがうまくいかず、心象も悪くなるかもしれません。
そういった事態を避けるには、通信回線の速度や通信機器の状態を事前に確認しておくことが大切です。
ポイント②事前に要望を聞き取ったうえで準備する
オンライン接客中に待ち時間が発生すると、顧客はパソコンの前でじっと待たなければならないので、対面の場合よりも長く感じる傾向があります。
待ち時間が長くなると、クレームの原因にもなりうるので避けたいところです。
顧客を待たせないための工夫として、顧客の要望を事前調査し、要望に合わせた情報を用意しておくのが有効です。
たとえば、オンライン接客の日程が確定した段階で事前アンケートを送付して回答を求めると、余裕をもって情報を準備しやすくなります。
ポイント③資料を見やすいように工夫する
画面上で共有された資料の文字が小さいと、読みづらく、ストレスに感じられます。
オンライン接客で提供する資料は、文字数を抑えて大きめのフォントに設定し、画像を多用してイメージを伝えるのがポイントです。
ポイント④対応時間を短く抑える
対面接客よりも集中力を要するオンライン接客を長時間受けると、顧客が疲れてしまいます。
資料を読めば理解できる箇所の説明や、冗長な説明は避け、1時間以内には接客を終えるよう留意しましょう。
ポイント⑤顧客の表情や理解度に気を配る
画面越しのコミュニケーションには、相手のリアクションや気持ちが伝わりづらいという側面があります。
顧客が不安や不満を感じているにもかかわらず、気付かずにいるといった事態がないように、顧客の表情は注意深く観察しましょう。
また、不明点や疑問点などを都度尋ね、顧客に説明が伝わっているかどうかも確認します。
ポイント⑥接客後も連絡を継続する
対面での接客と比べて、オンライン接客は担当者の印象が残りづらいので、継続的に連絡をとって顧客に認知してもらうのが重要です。
最新の物件情報やお得なキャンペーン情報などを定期的にメールで送付しましょう。
接客時に「お困りごとがあれば、いつでも私にご相談ください」とひと言添えて、担当者が窓口になる旨をアピールすると、一番身近な相談役として認識してもらえます。
不動産業界のオンライン接客の事例
他社がどのようにオンライン接客を活用しているのかは気になりますよね。
以下で、主要な不動産会社のオンライン接客の事例をいくつか紹介します。
アパマンショップ
アパマンショップでは、商談や内見、重説を含めたすべてのシーンでオンライン接客を導入しています。
担当者とビデオ通話をつなぎながら、物件情報を検索できる独自のシステム「AOS」(アパマンショップ・オペレーション・システム)を利用して接客しています。
また、担当者がスマートフォンをとおして物件の内装を見せたり、インターネット上で重説を行ったりするなど、オンラインでのサービスが満載です。
参考:「来店しないお部屋探しアパマンショップオンライン【アパマンショップ】」
ハウスコム
ハウスコムでも、アパマンショップと同様に、すべてのシーンでオンライン接客を活用しています。
ホームページやメールまたは電話での問い合わせから始まり、物件の紹介から内見、重説に至るまでオンラインで完結できるほか、書類や鍵も郵送してもらえます。
東都
東都では、アットホーム株式会社が提供する「スマート申込」を一部の店舗で導入し、入居申込手続のオンライン化を進めています。
物件内を360度カメラで撮影し、室内を歩いているかのように見たい箇所を確認できるサービスも魅力的です。
エイブル
エイブルも、オンライン接客が充実している不動産会社の一つです。
「AOS」(エイブルオンラインシステム)を導入しており、オンラインでも店舗と変わらないスムーズな物件紹介サービスを提供しています。
内見や重説も、スマートフォンやタブレットを介して完結させられます。
参考:「【エイブル】オンラインで賃貸物件・お部屋探しについて相談・内見・契約が可能に!」
オンライン接客を活用して不動産会社と顧客の双方の利便性を向上させよう
いかがでしたでしょうか?
不動産業界におけるオンライン接客は、商談や内見、重要事項の説明の場面で利用されています。
デジタル改革関連法の施行により、企業によっては来店なしで手続が完了できるようになりました。
オンライン接客の導入でつまずかないためには、通信環境の整備や情報・資料の準備を入念に行うことが欠かせません。
接客時は、顧客の様子に気を配り、対応時間が延びすぎないよう注意しましょう。
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